22歳の男の濁った目

汚れた目から世界を見てます。

自分探しとかそういうのを辞めた日

最後の記事です。スペインには三週間いました。最初の4日間をバルセロナで過ごしたあとマドリードに向かいヘミングウェイが、『日はまた昇る』や幾つかの短編の題材にもした闘牛をラスベンタスで観戦しました。時代と共に残酷だという機運が高まり国内でも何…

パラドックスバックパック

今、僕はマトマタにいる。マトマタはチュニジアにあるベルベル人の街だ。ベルベル人というのはバルバロイからきた蔑称で彼ら自身の名前ではないが、ここでは便宜上、馴染みのあるベルベル人という表現を用いたい。ベルベル人は北アフリカに住む移動を繰り返…

嗚呼、マズローよ。君はなんと偉大なことか。

インドへの往復はタイ乗り換えだった。ルポやガイドブックに書いてあるように夜のバンコクは快楽と狂乱の街だ。体感的な蒸し暑さは何も東南アジアの気候的特徴からくるものではなくツーリストや外国人居住者の享楽を前にした高揚感や、日本をはじめとする外…

生と死の街、ヴァラナシ。

先の記事に書いたように僕の初めての相手である、このヴァラナシは"生と死の街"という別の名を持つ。その由来はこの街がガンジス川(ガンガ)に面していることに深い関係がありそうだ。ヒンドゥー教の聖地でもあるこの場所はインド人が生涯に一度は訪れたいと…

ヴァラナシで射精した夜

人は例外なく快楽のために生きている。風俗に足繁く通って、金で若さを買うような性的快楽。気に入ったブランドでインテリアを統一して住む環境を心地良くしたいという快楽。恋人と手を繋ぎ海岸に腰を下ろし夕陽を見る快楽。仕事で成果を出して周りから認め…

肌色でしか興奮しないなんて。

肌色でしか興奮できないなんてなんて寂しいんでしょう。肌色でしか射精できないなんてなんて悲しいのでしょう。荘厳な大自然にも偉大な芸術にも繊細緻密な建築物にも勃起しないで感受性に蓋をしていたらそれは精神的インポテンツじゃない?

神は死んだのか。

突然ですが皆さんは神様って信じますか?僕は2泊3日で一睡もせずに交代で車を走らせて男4人でお遍路さんを回った事があります。その時、各寺でわたしは手を合わせて願いました。「自分はどうでもいいので、家族や友人が健康に過ごせますように。」神奈川に帰…

地獄の業火で会いましょう。

ゴシップ。人間が存在する以上世界から争いがなくならないのと一緒で飲み屋から永遠に消滅することのない主題。誰が浮気したとか不倫したとか誰が補導されたとか捕まったとか裁いたり、コメントを求められる仕事にもなく当事者でもないのに滅茶苦茶叩く人は…

新世界のおやじ

横浜の大衆居酒屋で飲んでいると一瞬で店内の空気が変わったのを感じた。俺が座っている席の横にあるカウンター席に腰掛けたおっさんは明かりのない洞窟のように不気味な歯が一本も生えていない口を動かしては懸命にこちらに何かを訴えているのだけれど歯が…

タイにて。③

釣り堀で使用される餌は大量のパン屑に集魚液を浸したものでそれを手で練りこんでサビキの要領でハリスの上にあるカゴを覆うようおにぎりほどの大きさに丸め込む。下のハリスには食パンを半分ほどの大きさにちぎったものをつけそれを先ほどのおにぎりほどの…

タイにて。②

旅の目的である巨大魚の釣り堀は宿泊していたバンコクの市街地から車で北に1時間半ほど上ったノンタブリーにあった。ノンタブリーはバンコクに隣接するバンコク首都圏である。単調な一本道だった。地図で見ると県境は曖昧だが、車道の両脇に三菱やパナソニッ…

タイにて。⓵

川の価値を決めるのは何か。その川が生きている川なのか死んだ川なのかそれを決定付けるのは水質ではない。その川が恵みをもたらしているのか。その恩恵を住む人は認識しているのか。人々がその恩恵を忘却してしまえばどれだけ透き通った川でもそれは死んだ…

旅と放浪、

タイに行ってきた。巨大魚を狙って釣りをしたくらいの気持ちだったのだが。自分なりにこの旅を整理していきたいが、まずは、旅そのものについて考えてみたい。退職したら海外を旅すると話していた友人から出発前に近代化を達成した後の日本社会にはアフリカ…

漕げメロス。

俺は激怒していない。今日も素晴らしい一日だった。邪悪に対して人一倍敏感でもなければ、王の暴政に激怒もしていないが俺は旅立たなければならない。俺の場合セリヌンティウスはいない。セリヌンティウスとは俺自信なのだ。自分が自分を信じてやれずにいか…

私の夢。

自分の新しい夢が久しぶりにかすかだが見えた。その為のプロセスもだ。身の回りの世界が再び動き出したような感覚に襲われた。家の軒先にとまったまま、動きをやめてしまい埃を被ってしまっていた鳥が空へ繰り出し、夏に入っても、自らがなんたるかを忘れて…

very superstition.

Very surperstition.まさに迷信だ。で始まるスティービーワンダーのsuperstitionばかり聴いている。初めて飛び込み台からプールに飛び込む少年が落ちても死なないよね?と心配そうに何度も友達に尋ねるように。僕はスティービーワンダーのsuperstitionを再生…

人生ひとり旅。

題の 人生ひとり旅 はよく行っていた店に飾ってある山田洋次監督の色紙に書いてあった言葉だ。テーマパークはあまり行かないのだけど、人生は冒険だ。みたいな言葉がディズニーかなんかのアトラクションの出口にあったと記憶している。人生を旅とか冒険にな…

会話のイニシアチブ

久しぶりに会話のイニシアチブを終始握られた。世界を何も知らないと打ちのめされた。大学のアラビア語の教授と久々に会った。その人は女性なんだけれど、大学生の時から1人でチュニジアに行って国立図書館で勉強するような人だった。森美術館のカフェに行く…

竜馬という病

病い意味 病気、わずらいそれは死に至らしめるものから、そうではなくとも何らかの支障となるもの。医術というのがどれだけ発達を遂げても解明されていない病もある。見つかっていない病もある。今日、提唱したいのは竜馬病。いやもっと平たく言えば、司馬遼…

聖者思想は今も…

stand by meを久しぶりに観た。ドラえもんの方じゃないよ。Ben E.Kingの方だ。あれが傑作と言われるのはあの一種の生々しさが幼少期へのセンチメンタルな感情を呼び起こすからだろう。小学校まで毎日遊んでいたけど、中学で別れた瞬間にめっきり遊ばなくなる…

あえて南を向かない向日葵。

強いひでりを受けた鮮やかな花弁は淡い黄色に輝きその淡さゆえに中央の茶色と喧騒するわけでもなく互いに引き立てあっている。向日葵というと太陽に向かってピンと伸びる逞しさのようなものが謳われるけれども色の調和からはどこか女性的なものを感じる。エ…

1羽目のペンギン。

過ごしやすい気温が続いて嫌気がさしてきた。HIPHOPが流行ってる。まぁ今に流行り始めたことじゃないけどね。HIPHOPは大好きだったから半分嬉しいし半分悲しい。それは行きつけのラーメン屋がバズって有名になってしまった感覚とは違う。俺は1匹目のペンギン…

雨の中傘もささずに行く美学

雨だ。表題にある 雨の中傘もささずに行く美学ってのは確かなんかでRIPSLYMEのRYO-Zが言っていた(気がする)もとになったのは多分ニーチェの雨の中傘をささずに踊る人間がいてもいい。自由とはそういうことだ。という言葉なのじゃないかな。まぁ、案の定、…

性と幻想のストーリー

盆地にいた頃はうだるような暑さに嫌気がさしあぁ、海辺で育った自分にやはり盆地は不向きだなぁと噴き出す汗を拭いながら環境問題が実相をもって迫って来ないことには人類が必死に問題に向き合うこともないなんて十分実相をもって迫ってきてるじゃないかな…

藤村操はもういない。

藤村操を知っているでしょうか。 おそらく僕と同年代の人は知らないでしょう。 では質問を変えます。 華厳の滝を知っているでしょうか。 日光の。 知らない人は少ないでしょう。 その華厳の滝が身投げの名所となっていたことも多くの人は知っていることでし…

全ては1匹の亀から。

この記事は自己肯定のため誰かの同意を求めるものでも、誰かを感化したいことを目的としたものでもありません。思考整理の一つの過程でしかないのです。です。ます。調にしてるのはへり下る為です。高圧的口調で話して人が最後まで読むほどの実績をまだ挙げ…