22歳の男の濁った目

汚れた目から世界を見てます。

1羽目のペンギン。

過ごしやすい気温が続いて嫌気がさしてきた。


HIPHOPが流行ってる。

まぁ今に流行り始めたことじゃないけどね。


HIPHOPは大好きだったから半分嬉しいし半分悲しい。


それは行きつけのラーメン屋がバズって有名になってしまった感覚とは違う。


俺は1匹目のペンギンみたいな考え方が大好きだ

"first penguin"ってやつ。


ペンギンは1羽が海に飛び込まない限り、みんなが氷上から動こうとしない。


この習性が転じて、リスクを恐れず飛び込む人って意味の慣用句になった。


俺は別に起業家になりたいわけでもないし、

どちらかといえば、そういうどこか過激で毒素のある言葉に若者がなびきやすいということをどっか冷めた目で見ているやつだ。


ペンギンとHIPHOPに関係があるの?という君。

今流行りの抽象化が足りていないよ。


HIPHOPが本当に大好きな人。

生きてたらいつの間にかHIPHOPだなお前と言われる人。

それ以外はfirst penguinじゃない。


まぁ、全員がfirst  penguin になったら群れという社会は成り立たなくなるからそれを見て飛び込むペンギンでいいんだけど。


HIPHOPアメリカのゲットーで、成り上がる手段として生まれたんじゃないかな

ブラジルのサッカーみたいに。


HIPHOPってよく、何かに対するアンチテーゼが主題になる。

それが社会でも何でもいいけど。


よくファッションとかライフスタイルの表層をさらって"ブる"人がいるけど。

その人達の何人が都営住宅とか団地で育ったのだろう。


俺が思うに1番この流行に乗っているのは圧倒的に中間層だ。ブルジョワジーとまでいかなくても


そういう人はHIPHOP聞くなって言ってるんじゃない。


俺もめちゃくちゃ中間層だし、HIPHOP好きだし


でも、あぁ、そういう生き方もあるんだくらいにしか思わない。


本気で共感したことない。悔しいが共感できない

バックボーンが違いすぎて。

それに賭けるバイタリティーも違う。


たまに考えさせられる歌もなくはないけど

多くはただ"音"として聞いてる。


ただ、そういう中間層の若者がアンチテーゼとか反発だけで生きていくのにはやはり限界がある。


そもそも何かに対する反発の力は反作用の法則じゃないけど限界がある。

元々、作用していた力より巨大になるケースなんてないんじゃないかな。


特に中間層は概して、そんな力を強いられたことがない。だからバイタリティーもない。

それが最早、一種のコンプレックスになってHIPHOPを聞くんじゃないかな。


チャップリンも母子家庭でボロボロの屋根裏部屋からあぁなった。

松本人志も若い頃の本を読むと貧乏で育ち、完全にマスに対する反発が原動力だ。


今の中間層にそれはない。

レイプされた事もないし、MPにぶん殴られたこともない。食うものに困ったこともない。


だから別に反○○、アンチ○○で生きなくていいんじゃないか。

口に出してなくても、そういう生き方をしてる人は少なくない気がする。


何かに反発するのは大きな原動力となる。

それは道筋がはっきりしてるからだ。

見える道と逆に歩けばいい。


今はネット社会でこういう生き方をしたらこうなるってモデルが嫌となるほど見える。

逆にそれが昔の高度経済成長期に比べてかえって物事を複雑化させる。


なおのこと哲学を専攻していたから思う。

哲学にも反実証主義とか反科学主義とかあるが

"反"ってついた時点で新しい見方を提示しているはずなのに、もとの科学主義とか実証主義に考えの軸を囚われているという矛盾をはらんでいるわけだ。


だから資本主義どうこうとか、自民党どうこうとか、もっと小さい話で言えば、あいつはあそこの企業に就職したけどあそこの何が良いんだとか


何かを否定するってことは誰よりもそれ自体に固執していることに他ならない。


そういうことやってる限りは結局1番好かない何かの奴隷なんだ。


まず誰も寄ってこないしね。


最近、考えるのは尾崎豊についてだ。


ファンには怒られるけど俺は


尾崎豊はきっと反発してた何かの実体を完全に捉えてしまったんじゃないのだろうか

と思う。


その力も地位も手にして

実体の全貌が見えて

自分の反発の限界が見えたのじゃないのかな。


まぁ俺は尾崎豊じゃないから分からないけど。


とにかく中間層は反発なんて考えないことだ。

バックボーンが概して薄すぎるから。


作用よりでかい反作用は生まないって話でした


なんだか、こういうことばっか書くと思想家みたいだからやめよう。

次は実家のヒマワリについてでも書きます。

バイ。