22歳の男の濁った目

汚れた目から世界を見てます。

私の夢。



自分の新しい夢が

久しぶりにかすかだが見えた。


その為のプロセスもだ。




身の回りの世界が再び動き出したような感覚に襲われた。


家の軒先にとまったまま、動きをやめてしまい

埃を被ってしまっていた鳥が空へ繰り出し、


夏に入っても、自らがなんたるかを忘れて実をつけることを怠ける庭のピーマンが思い出したかのように太陽の光がいらぬくらいに見事な緑色の実を創出して、


海岸で、家主をなくして行き場をなくし、途方に暮れる貝殻にヤドカリが命を吹き込み、新たな旅路についた。




昔から、どこか冷ややかな目を持つ周囲に嫌気がさして、反発して生きてきた。

中高生の○○くんグループとかそういう派閥みたいな低次元の安全保障みたいなものに嫌気がさしてからは全く気にしなくなった。


それは、好きなものを好きというと黒歴史とか痛いとかいう、そういう思春期的な攻撃方法しか知らない年頃の何か生きがいを見つけた人間に対して自分がまだ見つけられていないがための不安をなくすための利己的な攻撃に対する俺なりの防御だったのである。


中学一年であぁ、俺はプロバスケ選手にはなれないのだと悟ったあの日から夢なんて言葉の響きに気恥ずかしさを覚えずに言えるだけのビジョンは見えないままだった。


常に中高6年私立に行かせてくれた親とか周りの友達の目を嫌でも意識していた。

三者の目と一人称の視点を考えた時に、

自分が将来それを仕事にしている自分は

常に第三者の目で俯瞰で映し出された。

人のために働く自分を観ている"自分"


将来、それをやっている姿を想像するとき

その映像が第一人称の、自分の目に映し出される光景なのか。

目の前には操縦桿があるのか。


はたまた

三者の目で自分を俯瞰で見ているのか。

操縦桿を握る自分をどこかから観ている誰かの目線なのか。



小学校の将来の夢とか、高校の三者面談とか

自分の思いを吐いたのではなく

全部どこか見た目がいいものを仕立て上げる

作業だった。


僕の場合は高2の三者面談でプロレスラーと言ったら母親がハンカチを用意したのを見て自衛隊の幹部になることを決めたわけだが


とにかく皆と同じ一般の大学に進むのは面白くなかったから選んだ。

大学で得た仲間や成長は宝だ。

だが、以前として自分が何に向かって生きているのかはわからないままだった。


もう長すぎて読む人もいなくなるので

今日見つけた夢の話をしよう。


俺の男らしくなりたいというアメリカのマチョイズム的な価値観は家庭環境からきたものだろうというのは前にも書いた。


今日、図書館であてもなく調べ物をしていると

全く同じ家庭環境から生まれた男を知った。


アーネスト・ヘミングウェイだ。

パパ・ヘミングウェイと呼ばれ、ロストジェネレーションを代表する作家でアフリカでハンティングやカジキの釣りに興じる私生活も相まって彼は今でもアメリカの男性的なシンボルだ。



彼の母は、元オペラ歌手で医者の父親の収入の20倍を稼いでいた。

その為、父権が完全に失墜した家庭で育った。


彼は、死を間近に体感したい思いから、第一次世界大戦に志願し、医療車の運転手として従軍した。そこで彼は致命傷を負って、10年かかって『武器よさらば』を書いた。


俺が自衛隊に入ったのも、強い男に憧れるのも

釣りも好きで狩猟を今勉強しているのも

老人と海』しか読んだことないし、意識したわけではないのにヘミングウェイ只ならぬ繋がりを感じた。


俺はヘミングウェイにならなければならないのだ

次は彼にならい、ジャーナリズムの道に進みたいのだがそれまで少し時間があるので

幸い9月、成田発の航空券はとってあるので

二月ほどヨーロッパを1人で観て歩き

スペインでは彼が愛した闘牛を観て



12月には友人のツテが通じれば、狩猟会を通じて2週間ほど狩猟に触れたいと思う。



この夢が果たせなくとも、その時は彼のように猟銃でピリオドをうたないことをいのる。